コンサルタントの津森です。
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されていますが、風俗業界とて他人ごとではいられません。むしろ濃厚接触が避けられない以上、一定の覚悟を決める必要があるでしょう。
といっても不安をあおるつもりはありません。できる範囲で正しい対応に努めることが肝要です。
できる対策をできる範囲で行なうしかない
2月13日には 国内で新型コロナウイルス感染による死者が確認されました。国内では初めてのことです。日々状況が変化しておりますので、今後さらに増える可能性もあります。
報道される内容だけ見ていると、とんでもなく恐ろしいパンデミックがやってくるのでは、と誤解しがちですが、症状、感染力ともにインフルエンザとさほど変わりありません。注意を怠っても構わないという意味では、もちろんありませんが、むやみに騒ぎ立てるのも賢明とはいえないと思っています。(最新情報によると、感染力はインフルエンザよりも強いとの見方もあるようです)
すでに一部の店舗からは、実際に現状を不安視する声も上がっています。こうした状況を軽視するつもりはありませんが、どの程度危険なのか?対処法はあるのか?あわてず、騒がず、粛々と業務を行っていくためには、正しい知識が不可欠です。
まず懸念しなければならないのは、当然感染を防ぐということです。しかし、業務内容上、できる対策は限られてきます。そもそも一般に推奨されている対策も、基本、手洗い、マスク、あとは十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけるくらいしかない状況です。
問題なのは、風俗業においてはマスクの着用がむずかしいというところ。移動中や待機中なら問題ありませんが、接客中となるとマスクしたままで、というわけにはいかないでしょう。(お客様の希望があれば別ですが)
こうした状況を逆手に取るなら、思い切って無料オプションに「マスク」を取り入れてみるのも、意外とお客様、タレント双方にとってメリットがあるかもしれません。
もっともマスクは予防というより、他者への感染を防ぐ側面が強いそうで(それはそれで大事ですが)、なによりの対策はやっぱり「手洗い」です。一般的な風邪やインフルエンザ対策と変わりませんね。
適切な言い方ではないかもしれませんが、あまり神経質になりすぎるのも、メンタル的な意味でよくないと思います。コロナを恐れるあまり、出勤が嫌になってしまっては元も子もありません。店舗側としては、多くの人が触れるドアノブやキーボード等のアルコール消毒をまめに行うなど、できることをできる範囲で行なっていく以外ないと思います。
過度の心配は逆効果?
先ほども述べましたが、新型コロナウイルスは症状についても、一般的な風邪やインフルエンザと大きな差はありません。WHO(世界保健機関)によると、発症した際の主な症状として、発熱、せき、息苦しさなどの呼吸器症状、筋肉痛やけん怠感などが報告されているそうです。
2003年に流行したSARSや2012年のMERSなどと比べた場合の致死率は高くなく、安易なことは言えませんが、ご高齢の方や免疫力が低下している方でないかぎり、命に係わるということはほぼなさそうです。健康に働けているのなら、過度の心配は不要でしょう。心配してもどうしようもないとも言えますが・・・
中国人観光客による、爆買いならぬ爆遊が無視できない売上を占めるような店舗は、頭を抱えざるを得ないことと察しますが、それにしても現状では、やはりできることをできる範囲で行なうしかないと思います。
もともと2月はいわゆる閑散期だから仕方ないというのは、まったくもって無責任ですが、今はコロナ対策と並行して、4月、5月に向けた集客のアイデアを練るのもひとつではないでしょうか。
風評被害を最小限にとどめる
もうひとつ風俗業界にとって深刻なのは、風評被害です。コロナウイルスを恐れてお客様の足が遠のくといった事態は、極力避けなければなりません。風俗に行くと感染リスクが高まるというのは、現時点では考えにくい話ですが、備えておくに越したことはありません。
大々的にアピールするのは難しいですが、お客様にもわかる形で、アルコール消毒などの対策を行なっていくことも、今後の状況によっては必要になってくるかもしれません。ただし、あんまりにもわざとらしいと、かえって不信感を抱かせる場合もあるので、あくまでさり気なくが望ましいですが。
タレントさん、従業員の1人ひとりが注意していくのが第一ではありますが、店舗としても考えなけれなならない点は多々あります。
インフルエンザにおける「タミフル」や「ゾフルーザ」のようなウイルスに対して効果がある治療薬がないため、過度に警戒してしまいますが、国立感染症研究所によると、栄養をとってゆっくり静養していれば症状が治るケースが多いとも聞きます。また、すでにワクチンの開発も進められているとのことです。アメリカの報道では完成まで、1年ほどはかかるそうですが・・・
現実的な話、今以上に感染拡大が広がるようなら、さらなる対策を考える必要があるかもしれません。しかし、健康体であれば重篤化することが少ない現状を鑑みるに、今必要な警戒は怠らず、粛々と日々の業務をこなすのが最善手かと思われます。
現場の人間がむやみやたらと騒ぎ立てることは、風評被害をさらに広げることにもつながりかねません。こういうときこそ冷静な対応が求められます。