今年もあと2か月半という事実を、受け止めきれずにいるコンサルタントの津森です。まったく早いものですね。来年はいよいよオリンピックイヤー、風俗業界にとっても変革の年になりそうです。
オリンピックによる影響をどのように捉えるか
風俗業界にとって激動の2020年になりそうな予感を、ひしひしと肌で感じる今日この頃、その変化の種はすでにあちらこちらで芽吹いています。
まずは本コラムでも、これまでも何度となく取りあげてきた「働き方改革」の問題点が、より具体的な形で表面化するのではないかという懸念もあります。「働き方改革」に関しての詳細は下記の記事をご覧ください。
【働き方改革がもたらす未来】風俗業界への影響はあるのか?~副業編~
【風俗業界も待ったなし】2020年4月から「働き方改革」で給料は大幅ダウン!?
そして、先にも述べましたが、国際イベントであるオリンピックも控えています。オリンピック自体は、もちろん楽しみだし、応援したい気持ちもあります。しかし業界に極端な影響が出てしまうとしたら困りものですよね。
今のところ、大手コンビニからアダルト雑誌が消えたくらいで、風速業界に対しての目立った動きはありません。ただ、2020年に入ったあたりで、なにかしらかのアクションがある可能性も否定できません。
2002年の日韓FIFAワールドカップのときは、歌舞伎町浄化作戦、また黄金町の一斉摘発なども行なわれました。2015年にケネディ国務長官の訪日した際は、一時的にではありますが、鳥取県米子市のソープランドが休業に追い込まれたこともありました。
とはいっても、無店舗型のデリヘルの場合、違法な営業をしていないかぎり、規制の対象になるとは考えづらいですが。
ついつい懸念が先に立ってしまいますが、なにも悪いことばかりというわけでもなく、ポジティブに考えるなら、世界各国にジャパニーズ風俗の実力を知らしめるチャンスでもあります。
実際、外国人観光客の風俗店利用は年々増加傾向にあると聞きます。それに伴い店側も本格的に外国人観光客への対応を見直す時期にきているのかもしれません。
簡単な英会話しかできないのに、細分化した料金設定やプレイ内容、禁止事項を事細かに説明するのは、なかなか骨が折れると思います。可能であれば、今からでも基本的な英会話を復習しておきたいところですが、付け焼刃がどこまで通用するかはわかりません…
消費増税よりもそこに付随するものに注意
大きな出来事としては消費増税もありましたが、以前にも書きましたのでここでは省略いたします。(参考までに⇒【今こそ転職のチャンス】消費増税が風俗業界にもたらす影響とは?)
しかし、実は消費増税そのものよりも、消費増税に付随するもろもろが、意外と頭を悩ませる問題に発展するかもしれないのです。
ひとつは“インボイス制度”に対して、どのように向き合ったらいいのか。経営者にとっては悩ましい問題かと思います。
インボイス制度とは、2023年10月より導入される消費税の仕入税額控除の際に必要となる手続要件のこと。ようするに、「売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、消費税の適用税率や税額を伝えるための請求書です。
詳しくは財務省のWEBサイト、もしくは国税庁のpdfファイルをご覧になっていただくとして、風俗業界にとって問題となるのは、インボイス制度の導入によって、店舗の消費税負担額が増える可能性があるということです。
なかなかややこしい制度で、私自身もただいま勉強している最中です。詳細は折をみてあらためてお伝えしたいと思います。
風俗業界のキャッシュレス化は是か非か?
そしてもうひとつ、消費増税がらみのお話になりますが、食品などへの軽減税率の適用とともにキャッシュレス決済によるポイント還元の制度が導入されました。
これによって、キャッシュレス時代が加速度的に進むことになります。もちろん風俗業界も例外ではありません。ただし、その歩みは世の潮流に反してゆるやかにならざるを得ないでしょう。
消費者にとっては便利なキャッシュレス決済ですが、事業主にとっても便利とは限りません。特に風俗業界においては、なかなか導入に踏み切れない事情もあります。そもそもナイトレジャーは一部を除いて対象外ですが…
しかし、対象外だから加盟できないかというと、必ずしもそうではありません、その気になればやりようはあります。
ただ、メリットとデメリットを考えた場合、どちらがいいのか判断が分かれるところです。確かに利便性が増して、よりカジュアルに風俗を利用できるシーンが増えてくるのは間違いありません。社会的な認知のされ方もよい方向に前進すると思われます。
それでも現時点では、デメリットのほうが大きいといわざるを得ません。なにより風俗業界は現状キャッシュレス時代に対応した仕組み作りができていない店舗がほとんどです。
いまだ現金でのやり取りが根強く残っているのには、納得のいく理由もあります。それでもいずれはキャッシュレス化の波が押し寄せてくるでしょう。
クリアしなければならない課題は山積みですが、流れに逆らってまで現金主義を貫く必然性もありません。といっても今すぐにという話ではなく、まだまだ時間はかかるものと考えられます。しかし、いずれは移行せざるを得ないときが必ずくるでしょう。
もっとも風俗業界に限らず、現金払いというのは経営する側にとって、やはりありがたいものであるのは確かだし、完全に消滅することもないでしょうけども。少なくとも我々が生きている間は。
思いつくままつらつらと、風俗業界を取り巻く状況について述べてきましたが、ひとついえるのは変革を恐れる必要はないということ。その時代時代に適した業界のあり方を模索し、変わり続けることで、よりよいサービスを提供していくことができるのだと思います。
新しいことにチャレンジするのは決して簡単なことではありません。しかし、こんな激動の時代だからこそ、チャンスも多く転がっているともいえます。風俗新時代を築こうとする志ある方にとっては、今が転職の狙い目なのではないでしょうか。