【夢とVISIONの違い】共感を得られるビジョンを語るのは簡単ではない!

コンサルタントの津森です。間もなく風俗業界最大の繁忙期である12月がやってきます。すでに準備万端整っている店舗もあれば、いまだバタバタしているというケースもあるようです。いすれにしてもここが正念場です。2019年のラストスパート、後悔のないようにがんばりましょう。

リーダーが語る魅力的なビジョンとは?

リーダーの条件のひとつに、「魅力的なビジョン」を提示できるかというものがあります。第三者が共感できるビジョンを提示することで得られる効果はさまざまです。

具体的には、

  • 目標に向かってブレることなく邁進できる
  • ルーティン化した業務にも意味を見出すことができる
  • 新しい価値観で職務に当たれる
  • 将来的に自身の置かれている状況、あるいは環境が好転する希望が持てる
  • 仲間意識が強化されチームとしてのアベレージが上がる

しかし、このビジョンを描くという行為、言うほど簡単ではありません。自分ではビジョンを語っているつもりでも、それがビジョンであると気づいてもらえないケースすらあります。

実際、誰にとっても魅力的なビジョンと言うのはなかなかむずかしいと思います。主義主張が異なれば見えるビジョンも必然的に違ってきますから。勢いに任せて熱烈に語っても、しらけてしまうだけということもままあるはず。

そもそも、「ビジョン」という言葉自体が曖昧模糊としていて、突き詰めるとよくわからなくなります。ビジョンには、理想像、未来像、展望、見通しといった意味があるのと同時に、まぼろし、幻影というマイナスの意味もあります。

また、「ビジョンを語る」と「夢を語る」とでは、まったく意味合いが変わってしまうことも理解しておく必要があります。

個人のビジョンは共有できない

先ほど、ビジョンを語っても、ビジョンであると受け取ってもらえないケースもあると言いました。それは、ビジョンではなく自分の夢を語っているのが原因です。未来や理想ではなく、まぼろしだから共感を得られないのです。

夢とビジョン、これは似て非なるものです。もっとも、耳ざわりのよい言葉で力強く話術のスキルを駆使して話すことで、夢をビジョンと錯覚させることはできます。例えば政治家の演説なんかは、こういった傾向が強いんじゃないでしょうか。しかし夢はいずれ醒めてしまいますが、ビジョンは半永久的に継続します。

まず、ビジョンは共有できないことを理解するところからスタートしましょう。自分の中では明確なビジョンであっても、それを言葉で表現することは、あえて言いますが不可能です。言葉に変換した時点で、言いたかったことの6割から7割は削ぎ落とされてしまいます。美しい言葉で飾り立てるほどに色あせてしまうでしょう。

あらかじめ、すべてを伝えることは無理であると理解したうえで、要点のみを分割して語るほうが相手にとっても理解が容易で、共感につながりやすいでしょう。

ビジョンは語るには全体像ではなく、パーツごとに語るのがポイント。耳を傾ける人自身が、パーツを組み合わせてビジョンの全体像をイメージできるように話すのが理想です。

ビジョンは実現可能なことが大前提

信念や信条というものは生涯通して大きく変わることはないでしょう。しかしビジョンは違います。その時々の状況や社会情勢に合わせて常に変化し続けます。

現在進行形であるビジョンを語るには、臨機応変でなければ対応できません。といっても話す内容が二転三転するようでは論外です。よくよく言葉を吟味しながら整合性を取っていきましょう。

夢を語るだけならば整合性がなくてもかまいません。リアリティに欠けても地に足が着いていなくても問題ないでしょう。しかし、ビジョンは実現可能なことが大前提です。

実現可能だからこそ、人は共感し、ともに歩んでいこうという気持ちになるのです。

ビジョンは目的地でもゴールでもない

ビジョンは誰もが持っているものです。ただ、それを伝えるすべを持たない人が多いだけです。ビジョンを伝えることができたなら、先にも書いたように大きなメリットがあります。

そして誤解を招くかもしれませんが、ビジョンは目的地でもゴールでもありません。つまり自らが向かう先ではないということです。ではなにか?私はたぐり寄せるものだと思っています。

ビジョンをたぐり寄せるために、やるべきことなにか?まずは目の前の仕事をかたづけることではないでしょうか。小さな積み重ねが、ビジョンをより強固にすると同時に、周囲にも伝播し、結果ワンチームを形成していく、そんな実例を何度となく目にしたことがあります。

ビジョンを語るのは大切なことです。それによって得られるメリットも大きいです。しかし、どのように語るか、どうしたら伝わるかについては熟考が必要です。

夢を語るな、ビジョンを語れ!

最後におさらいの意味で、ビジョンを語るうえで、重要なポイントを記します。

  • ビジョンは自身のおかれている状況や社会情勢の影響を受けて変化するもの。日々、更新されるビジョンは、1度伝えればいいというものではなく、定期的に語り続けねばならない
  • すべてが伝わることはないという前提のもと、優先順位を決めてビジョンを構成するパーツごとに語ることが大事
  • ビジョンと夢を混同してはいけない。ビジョンはあくまで実現可能でなければ共感は得られない

もうひとつだけ付け加えるとするなら、自身の中ですら混沌としているようなビジョンは、それがどんなに尊いものであったとしても、他者に伝えることはできません。まずは自分の考えをクリアにしましょう。こうした心の整理整頓は毎日行なう必要があります。1日さぼるだけで、自分でも把握しきれなくなる場合もあります。

明確なビジョンを持つこと、そしてそれを他者に伝え、共感を得るというのは、言うほど簡単ではないというお話でした。

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