【風俗業界における“健康経営”】中長期的な視点で考えるとメリット多数だが…

こんにちは、コンサルタントの長谷川です。
さて、今回は風俗業界における「健康経営」について考えたいと思います。

そもそも「健康経営」とは・・・

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。(経済産業省WEBサイトより)

TVやWEBのニュースでご覧になった方も多いかと思いますが、2019年10月からヤフーが社員食堂に「揚げ物税」を導入し、チキン南蛮は100円値上げ、サバの味噌煮は150円値下げしたことが大いに話題となりました。

・チキン南蛮~自家製タルタルソース~:591円→691円(+100円)
・鯖の味噌煮と具沢山けんちん汁:693円→543円(-150円)

海鮮丼や魚の揚げ物定食が人気の一方で、焼き魚・煮魚は食数が少ないため、食べやすい価格で提供することで、魚料理全体の食数を増やし、社員のみなさんの健康増進を支援し、すべての働く人が心身ともに最高のコンディションで業務に従事することができる企業を目指してまいります。(ヤフー、社員食堂に『揚げ物税』を導入より)

これは単なる一例ではありますが、このような形で従業員の健康管理も企業経営の一環として考える時代になったということです。

風俗業界で働く人たちと接して感じること・・・

いわゆる一般業界では、このような「健康経営」に対して積極的に取り組む企業が徐々に増えつつあるのでしょうが、風俗業界はというと・・・長時間勤務に、ゆっくり食事など取る暇もないという店舗が大多数ですから、「健康経営」とは程遠い業界です。

風俗業界の現場で働く従業員・スタッフの方々からのヒアリングで、私が気付くところは、そもそも「健康」に対する意識があまり高くない方が多いという点です。

例えば、食事の回数が1日1食のみだったり、食事内容がカップラーメンだけだったり、睡眠時間が異常に短かったり、タバコ・お酒なども限度を越えていたり、まったく運動していない等・・・

これだけ身体に負担がかかることばかりで、長時間労働ということになれば、そりゃ誰だってカラダを壊すよね、ということになります。もちろん、カラダを壊すばかりでなく、いずれメンタルもヤラれるというのは目に見えています。

風俗業界で「健康経営」に取り組むには?

では、そんな「健康」に対する意識が高くない方々が比較的多いと思われるこの風俗業界で、「健康経営」に取り組んでいくためにはどうすればいいのか。

それは、風俗店のオーナーが、強いリーダーシップを持って方向性を示すしかないと考えています。

「健康経営」を実現させていくためには、労働時間の短縮、休憩時間の確保、週休2日制の実現など、まずはここにメスを入れないと始まりません。

ただし、この部分を実現させるためには、人員の確保が必要となってきますから、人件費が上がります。そうなると利益も当然減ることになるので、現場の店長レベルで改革を進めるには、少々ハードルが高くなります。

もし「健康経営」を実現させるのであれば、オーナーが短期的な利益ではなく、中長期的な視点で大きな決断をする必要があります。

最後に

さて、今回は風俗業界における「健康経営」に関して考えました。

もし「健康経営」を実現させることができるのであれば、従業員のパフォーマンスの向上をはじめ、離職率の低下、さらには、一般業界から優秀な人材が流入する可能性も高まるなど、中長期的な視点で見た場合、大いに恩恵があると感じます。

あとは、風俗店のオーナーがこの視点で経営を考えられるかどうか・・・

それでは、また次回。

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