【新型コロナ騒動に見る処世術】不安な時代を生き抜くための心得指南

皆様、こんにちは。コンサルタント徳永です。

不安な時代のネットとの付き合い方

新型コロナの騒動、一向に収まる気配がありません。自粛要請等で時間を持て余すとスマホを弄る機会も増え、おのずとSNS等にアクセスする時間も増えてしまう人も多いかと思います。

しかし、現在のネットでは真偽不明の情報が飛び交い、騒動に乗じた誹謗中傷も少なくありません。

新型コロナ騒動で、ただでさえ気が滅入っているのに、ネットで他人の不安な書き込みを見たり、自分の書き込みが非難されてしまったり、つい喧嘩になって、さらに憂鬱になることも・・・

さて、こんな不安な時代のネット社会における処世術とはなんなのか少し考えてみましょう。

人間の認知傾向(バイアス)とは?

人間は「不安を解消したい、解消する方法を知りたい」という「欲求」が発生した際、この不安の原因は●●ではないか?という「推測」を行うことがあります。この時「推測」を支持するような情報を無意識に集めようとしてしまいます。

「見たい情報だけを見つけようとする、見たい情報しか見ない」という認知傾向に陥ってしまうということですね。これを「確証バイアス」にかかっている状態といいます。

なぜこんなバイアスが発生するかといえば、人間は原則として「欲求」が発生すると、その「欲求」を解消し、快感を得たいと考える生き物だからです。

つまり、情報の正しい・正しくないはこの際二の次で、「知りたい」という欲求の解消が第一になってしまうのですね(それも無意識に)。

人間のバイアス(認知傾向あるいは認知の歪み)については、「確証バイアス」のほかにも何種類かありますので、いくつかご紹介してみます。

  • 敵対的メディア認知
    メディアが自分とは反対・敵対的立場を優遇する方向に偏向していると考える傾向のこと。面白いのは該当する事柄について、より詳しい知識を持っている人ほど敵対的メディア認知の傾向が強い点です。つまり、テレビ・新聞・ネットに接する機会が多ければ多いほど、「世の中おかしい!」と怒ってしまいがちということです。
  • 後見バイアス
    予測不可あるいは困難な物事に対し、自分が判断できたと感じる認知傾向のこと。要は後出しジャンケンのような思考です。「ほら、自分の言ったとおりになった」「そうなるって思ってた」それ、本当に予測・予想できていましたか?
  • 情報バイアス
    あきらかに不要な情報も必要と思い込んで集めてしまう認知傾向のこと。意思決定の際は情報が必要ですが、情報が多すぎると正確な判断ができなくなります。情報バイアスの影響下にあると「自分は情報を効率よく取捨選択できている」と思い込んでしまいますが、実際は効率が悪く、最適な決定も行えていません。

・・・等々。実際にはもっとありますが、だんだんゾッとしてくるのでこの辺にしておきます(笑)

下手の考え休むに似たり~オフラインにする勇気~

ここまでいくつか人間のバイアス、認知傾向について述べてきましたが、最後に最も重要なお話をします。

盲点ともいえますが、人は「他人がバイアスにかかっていることは容易に気づけるが、自らのバイアスには気づけない」という性質を持っています。これを「バイアスブラインドスポット現象(バイアス死角)」といいます。

人は「バイアス(認知の歪み)は良くないこと」と、誰もが思っているからこそ、自らのバイアスや認知の歪みには気がつけないのです。

では、どうすれば良いのか?

自らの認知の歪みに気づけないからこそ、他人にいらだちや怒りを感じた時は、一旦我に返りましょう。

つまりネットでムカッときても、「送信」ボタンを押す前に一度落ち着きましょうということです。

不安でしかたない時は、思い切って一旦ネットやテレビを見るのをやめる、検索するのをやめてみましょう(単純なようですが、案外勇気がいります)。

不安定な社会情勢だからこそ、情報を得て行動を取捨選択することはとても大切です。

しかし情報に溺れ、いたずらに恐怖を煽る、悲観的になりすぎる、逆に楽観視しすぎる、自暴自棄になる・・・は、さらなる混乱と抑圧、果ては自滅を招きます。

バイアスにかかりまくった状態で、不安を解消する術を考え情報を求めても、品性や知性の劣化を招くだけで、なんら生産的とはいえません(「下手の考え休むに似たり」という、とてもうまい表現もあります)。

人は己のバイアスには気がづけません。だからこそ「これはバイアスがかかっているのでは?」と、常に自分に問い続け、時には勇気をもってそこから離れてみることが、先行きの見えない明日を強かに生き抜いていくためにも重要なのではないでしょうか。

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