コンサルタントの津森です。今、風俗業界に大きな波が押し寄せています。うまく波に乗るか、それとも沈んでしまうかは人材次第と言えるでしょう。
業界全体を巻きこむ変革の流れ
現在、風俗業界において多様化、細分化が進んでいます。店舗のコンセプトやお客様の嗜好はもちろん、入店する女性の幅広い年齢層、また濃い目のキャラクターを持った女性も増えてきました。
多様化、細分化は文化的成熟度とともにあらゆるジャンルで起きる変化です。つまり風俗業界全体が成熟期に入ってきた証でもあります。こうした傾向は今後さらに加速度的に増していくと予想されます。
多様化、細分化に対応するためには、風俗というビジネスに関わる我々自身もまた多様性を獲得し、細分化していかねばなりません。
業界全体を巻きこんだ変革の流れに乗り遅れることは、致命的なダメージを負うことにもつながります。風俗業界だけでなく社会全般を見渡して、先手を打っていく必要があるということです。今までと同じことをただ繰り返すばかりでは、勢いを増す時代の奔流から取り残されてしまうでしょう。
と、危機感を煽るようなことばかり述べてきましたが、多様化、細分化の流れは躍進のチャンスでもあります。
今、必要とされる人材とは?
漠然とした物言いはやめて、具体的な話をしましょう。みなさん、ご存知のように多様化、細分化の一因としてインターネットの発展が挙げられます。風俗ビジネスにおいてもWEBサイトからの集客、求人は常識となっております。
今までは、ただ活用するだけでも十分な成果を挙げていたかもしれません。けれどこのままではやがて頭打ちとなってしまうでしょう。今後はWEBによる宣伝効果を高めるためのより明確な施策が求められます。
では、どのような施策が考えられるのか?
ひとつはユーザビリティです。情報を整理し、デザインを見直して、お客様、あるいは求人者にとって、見やすくストレスのないページ構成が課題です。
もうひとつは、写真やプロフィールのブラッシュアップです。写真セレクトやプロフィールコメントの執筆業務を、通常業務の片手間で済ませられる時代は終わった、あるいは終わりつつあると考えています。
専門スタッフが監修、または自ら担当し写真のセレクトから文章まで、総合的にディレクションすることで、よりお客様や求人者に刺さるページに変えていく必要があるのではないでしょうか。
要するに、以前はさほど重要とされていなかったスキルが、ここにきてあらためて求められるようになってきたということです。
ライター、デザイナー、編集者、そしてそれら専門スタッフをマネジメントできる「編集長」的な人材が、変わり行く時代の機先を制す切り札となってくれると期待されています。
風俗業界は独特のルールや制限もあります。クリアしなければならない問題は一般のコンテンツより多いでしょう。また流行の最先端ではありませんが、世間で流行ったものは、一拍置いたのち、必ず風俗業界に下りてきます。機を見て即座に対応できる広い視野とアンテナ感度も求められます。
求められるスキルと具体的な業務内容
撮影現場においては、まずスタッフ(モデル、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、ライターなど)の手配・打ち合わせにはじまり、その後の撮影にも立ち会うことになります。ポージングや構図等の指示、タイムスケージュールの管理、現場の仕切りなど、総合的なディレクション能力が求められます。撮影後はカメラマンからあがってきた写真をもとに、女性のプロフィールやその他掲載する情報を精査します。
■写真セレクト
当然、女性が最も魅力的に見える写真をセレクトすることになりますが、1枚しか写真を使えないケースもあれば、5枚、10枚と写真を掲載できる場合もあります。
1枚しか掲載できないのであれば、一番かわいい写真を使えばいいでしょう。しかし、複数の写真を使うとなると話はそう単純ではなくなります。
構成を考える必要が出てくるからです。構成を言い換えるならメリハリということ。いくらかわいくても同じ角度から撮った写真が5枚続くようだと、あまり効果は期待できません。
- 近くに寄った写真
- 全身が入る引いた写真
- 正面
- 左右
- すわり
- ヒザ立ち
など、写真ごとに別々のアピールポイントを用意するのが望ましいでしょう。また並べた際の順番も軽視できません。
- 1枚目 顔のかわいさ(アイキャッチ)
- 2枚目 全身(カラダ中心)
- 3枚目 一枚目とは違う角度のかわいい写真
- 4枚目 キャラクター性のある写真
- 5枚目 全身(キメ)
あくまで一例ですが、写真のセレクト、配置によって、イメージは大きく変わってきます。
1枚しか使わないとしたら、純粋に美少女、美女に見える写真を使うのが最適解ですが、5枚以上の写真を使うなら、あえて2番手、3番手くらいにかわいい写真を織り交ぜるほうが、トータルで考えると、よりベターな場合もあります。
■プロフィール執筆
SEOの考え方のひとつに『ビッグワード、ミドルワード、スモールワード』というものがあります。簡単に言えば、ビッグワードは多くの人が検索す言葉、スモールワードは検索件数は少ないがピンポイントで刺さる言葉、ミドルワードはその中間です。
女性のプロフィールを書く際にも、こうした考え方は参考になるでしょう。具体的には以下のような分類でしょうか。
- ビッグワード(巨乳、お嬢様)
- ミドルワード(コスプレ、現役学生、妹)
- スモールワード(声優志望、地下アイドル、ニオイフェチ)※便宜上スモールに分類したが、かなりミドルより
流行、世相によっても各ワードは変わってくるので、あくまで現状のイメージですが、ざっとこんな感じで分類できるでしょう。
ビッグワードは確かに多くの人を引きつける言葉であり、プロフィールなどでもよく使われています。しかし、逆に言えばよく使われすぎてインパクトに欠ける言葉でもあります。依然としてビッグワードが重要であることに変わりありませんが、もはやキラーワードにはなりえません。
これからの時代、より注目すべきはスモールワードのほうです。
例えば、女性がニオイフェチと聞いて喜ぶ男性は限られてくるでしょう。しかし、だからこそ有効ともいえます。対象を絞れば絞るほど、刺さる率はアップするからです。ただし、興味のない人にとっては、マイナスにもなりかねない諸刃の剣でもあります。
もうひとつプロフィールで重要なのが親近感です。自分と距離感が近いと、それだけで好意を持つようになるという心理があります。いわゆる「類似性の法則」ですね。
- 出身地
- 好きなスポーツ
- 好きな本・映画
- 趣味
などが自分と同じだと、不思議なもので、どういうわけか無条件で好意につながります。プロフィールを書く上で、意識しておきたいポイントです。
もちろん本人を特定できる要素は極力外していく必要があります。プライベートには触れず、親近感を持たせるにはどのような手法があるのか?それを考えるのもお仕事です。
極論すれば必ずしも本当のことである必要はありません。けれど、実際に女の子がお客様と対峙する際、しどろもどろになってウソがばれるようなことがあると逆効果です。あまり盛りすぎるのも考え物かもしれません。
集客に影響する大きな要素として、写真セレクトとプロフィール執筆について、業務の詳細をお伝えしましたが、実際はもっと地味で煩雑な作業も数多くあります。しかし、お客様や求人者などのユーザーにとって有用なページを作れば、それがダイレクトに売上につながります。
ライター、編集、デザイナー経験者はもちろん、マーケティングに興味がある方、ファッションが好きな方、コーディングセンスのある方など、さまざまなジャンルで活躍していたみなさん、第2のステージとして風俗業界はたいへん魅力的だと思いますよ。