
こんにちは コンサルタントの長谷川です。
さて私が今までにこの風俗業界でのコンサル業務に携わってきた経験から判断すると、もし風俗店に新人スタッフが入社した場合には、ほぼ100%OJTにて業務の伝達が行われているのではないかと思います。昔から風俗業界では、先輩スタッフが新人スタッフに付き添って業務を教えることが当たり前で、その方が業務もしっかりと身に付くと思われがちです。しかし、風俗業界であっても実は業務をマニュアル化してしまった方が、新人スタッフも体系的に業務を覚えることができるようになり、結果としてOJTだけの指導法よりも早いスピードで一人前のスタッフとして育成できるのです。
例えば、マニュアル化と言えば、工場での勤務や、ファーストフード店などの単純作業が中心の業種を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、複雑だと思われるこの風俗業界でも大部分の業務においてマニュアル化は可能だと断言できます。マニュアル化を行うことで、経験豊富なスタッフでなくても、入社数か月の新人スタッフでも同じような業務を遂行できるようになるのです。当然、マニュアルがあれば今までOJTで手取り足取り指導する手間も省け、風俗店・風俗グループ全体での業務効率化を図ることが可能です。
そこで今回の記事では、今までマニュアル化がなかなかできずにいた風俗店での業務内容について、業界未経験の新入社員でもすぐに理解することができるマニュアル作りのポイントをご説明したいと思います。
1. 業務の全体像を把握できるようにする
風俗店に新たに入社した業界未経験のスタッフがいち早く業務を習得し、戦力となる人材へと成長してもらうには、まずは風俗店の業務の全体像を把握する必要があります。業務の全体像とは、風俗店における各業務の意義や目的、業務全体のフロー、そして、各業務の作業プロセス、そしてその業務に求められる水準(所要時間、達成度、質)等のことを指します。
例えば、お客様の電話対応ひとつをとってみても、この仕事は何のためにやり(意義・目的)、何をしなければいけないのか(プロセス・求められる水準)を各スタッフに浸透させなければいけません。未経験の新人スタッフであっても、業務の意義・プロセスをしっかりと理解することができるマニュアルを作るには、まずは業務の全体像をはっきりと見えるようにする必要があります。新人スタッフにとって、各業務の意義・プロセスをしっかりと理解させることは、仕事に対する迷いや不安を払拭し、業務に対して前向きな姿勢で働くことができるようになります。
2. 業務の判断基準・根拠を示す
業務マニュアルに判断基準を示すことで、新入社員や経験の浅いスタッフでも判断に迷いがなくなります。例えば「お客様からの電話対応は迅速・丁寧に行う」という内容があった場合に、これだけですと何をもって迅速で、何をもって丁寧なのかが明確にされていないために「迅速・丁寧」という言葉について個々人の捉え方が異なるため、結果として業務の内容にも大きな差が生まれます。
例えば「お客様からの電話は3コール以内に出て、必ず最初に『お電話ありがとうございます、○○○(店舗名)です。』と名乗る」「もし3コール以内に電話を取れなかった場合には挨拶の前に『大変お待たせ致しました』と必ず添える。」というようにマニュアルに明確に記載することで、電話対応がマニュアルに沿って実施されたか否かの判断が明確に行えるようになります。
さらに、なぜそのような判断基準が存在するのか、その根拠となった理由を加えることで、その業務の意義・目的の理解を促すことができます。先ほどの例でいうと「お客様からの電話を迅速に取ることにより、受注の機会を逃さず、丁寧に対応することでお客様の予約受注率を向上させることができる」という理由を加えた方が効果的です。
3. チェックリストを作成する
店舗での業務は多岐にわたるため、仕事の漏れをなくすためにもチェックリストの作成が有効です。特に風俗店では同時並行で業務を処理していくマルチタスクの能力が必要となるので、最初に行っていた業務が完了する前に割り込みで優先的に処理をしなければいけない仕事が入ることは現場では日常茶飯事です。そのため、チェックリストで管理をしておくだけで、実行したのかまだ実行されていないのかがはっきりとわかり、更に、仮に何かの業務をやり残していたとしても、誰かがチェックリストを確認することで、フォローすることも可能となります。また、チェックリストを作成することで、業務手順を標準化することにより、未経験者であっても業務のレベルを安定させる効果もあります。
以上、今回の記事では、風俗店での業務のマニュアル化について大切なポイントを3つ説明しました。この3点を意識して風俗店での業務マニュアルを作成すれば、会社・グループ全体の業務効率化を図ることはもちろん、新入社員も体系的に業務を覚えることができるので、成長も早くなります。もちろんOJTで実際に教えることも必要とはなりますが、どなたでも出来てしまう作業は徹底的にマニュアル化し無駄な時間を削減していきましょう。