
こんにちは コンサルタントの長谷川です。シリーズでお届けしている「風俗店におけるパワハラ対策」ですが、今回は第3回目として前回からの「パワハラの予防策」の続きをご紹介したいと思います。
パワハラ予防策「アンケート調査等により実態を把握」
店舗スタッフへアンケート調査や個別ヒアリングを行うことによって、パワハラの実態の有無はもちろん、パワハラに対する考え方をスタッフ毎に把握することが可能となります。また、このようなリサーチを実施することによって、日常的にパワハラ的な言動を行っているスタッフが自らの過ちに気付き、それがパワハラ抑止にも繋がります。中には本人がパワハラだと全く気付かないというケースもあるでしょうが、抑止効果は高いです。
なお、調査方法としては、スタッフの人数が少ないのであれば、個別でヒアリングをすることもできますが、それが難しい場合には紙やGoogleフォーム等のサービスを利用してアンケートを実施しましょう。なお、アンケートについては匿名にするか、記名式にするかによってそれぞれメリット・デメリットがあるので、現場の状況や社風に応じた上で使い分けて下さい。
パワハラ予防策「研修実施による社員教育」
予防策で最も効果が高いと考えられる方法が、研修の実施となります。研修は可能な限り全スタッフが受講し、かつ定期的に実施することが重要です。風俗店の場合、一般企業と比べるとどうしてもスタッフの入れ替えが頻繁にありますので、新しい社員が入社した時点で研修を行うのであれば、その新人研修スケジュールの中に組み込むようにするなど、スタッフ全員漏れがないような仕組みを考えましょう。また、店長やマネージャー職に限定した研修を実施することも検討すべきです。
なお、研修時には、一般的で抽象的な内容ばかりではなく、風俗店での業務においてよく発生し得るシチュエーションでのパワハラ事例を具体的に挙げて説明することで、受講者のパワハラに対する理解がより深まります。年中無休・長時間営業が基本の風俗店において、店舗スタッフを一同に集めて研修を実施することは中々難しいとは思いますが、そのような場合は研修日程をいくつも用意し、通常の営業に支障をきたさない範囲の少人数で行うなど工夫をしましょう。
パワハラ予防策「相談窓口の設置」
パワハラ行為が行われた場合にすぐに相談できる「相談窓口」を設置しましょう。まずは店舗スタッフに「相談窓口」の存在を知らせるためにLINEやメール、その他事務所内にポスターで掲示するなどの方法が考えられます。「相談窓口」を設置するだけで、パワハラ予防としても十分に機能しますので、ぜひお試し下さい。
さて、今回の記事では、風俗店における「パワハラ予防策」をご紹介しました。次回からは、パワハラが実際に発生した場合における具体的な解決策についてご紹介したいと思います。